ウェルネスを研究する

ウェルネスとは?ウェルネスツーリズムとは?長寿とは?ブルーゾーンとは??ヘルスからウェルネスへ新しいウェルネスを世界に提唱していきます!

ウェルネスツーリズムとは何か

ウェルネスツーリズムとは

ウェルネスツーリズムとは、旅先でのスパ、ヨガ、瞑想、フィットネス、ヘルシー食、レクリエーション、交流などを通して、心と体の健康に気づく旅、地域の資源に触れ、新しい発見と自己開発ができる旅、原点回帰し、リフレッシュし、明日への活力を得る旅のことです*1。
*1荒川雅志(2017). ウェルネスツーリズム~サードプレイスへの旅~フレグランスジャーナル社


ウェルネスツーリズムの中心はスパツーリズム(海外)

Global Spa & Wellness Summit(2013)の発表資料によると、現在世界中で行われているウェルネスツーリズムのほぼ半数(47%)はスパツーリズムであるという統計があります。ウェルネスツーリズムの多くがスパツーリズムであることを紹介した研究者がこれまで日本にいなかったため、こうした事実は我が国では知られていません。
実際にウェルネスツーリズムをうたい催行している旅行をみると、食、運動、保養、温泉、スパ(SPA)、スポーツ、レクリエーションや文化的活動、相補代替療法から西洋医療の一部に至るまで様々なプログラムが提供されています。
Wolfgang Nら(2004)によると、治療といった医療色の強いものから、健康増進、リラクゼーション、食事(養生法)、運動、美容などで構成したツーリズムとしています。ウェルネスの様々な解釈を基に構成すれば、扱う範囲はおのずと広くなっていくものでしょう。

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ウェルネスツーリズムの起源は、スパ、温泉、巡礼の旅

ウェルネスツーリズムの多くはスパツーリズムであり、海外では同義語として使われるケースが多くみられます。
このことから、ウェルネスツーリズムの起源のひとつには、紀元前、古代ローマの戦士達の傷や病気の治療に効果的な温泉入浴(スパ)、郊外に展開した公衆浴場への旅に遡ることができます。
中世に入ると温泉の医学的効果の検証が進み、18世紀頃には王侯貴族の高級保養地への滞在や都市形成のテーマとして発展を遂げていきました。
わが国では、温泉湯治への旅を起源に、『古事記』『日本書紀』のなかに、貴族を中心に病気の治癒、療養に温泉湯治を用いていた記述がみられます。
江戸時代には祈願や参詣、名所巡りと湯治をセットにした娯楽観光へ転化していき、庶民へと広がっていきました。

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◆現代ウェルネスツーリズムの「日本型」の発展

医学・医療的な要素レジャー的要素という軸、ラグジュアリーな要素と地域健康やまちづくり要素という軸で、現代ウェルネスツーリズムの日本における新たな発展形態の整理をおこなっています。
世界的にみられるウェルネステーマの要素に日本固有の資源、文化、精神性などの要素をもとに、パーソナル、特別感の創出、らしさ、強みの創出、安心安全、クオリティの創出が図れれば、日本らしさを活かしたウェルネスツーリズムを誕生させることができるでしょう。ひとつは世界に通用するラグジュアリー型、ひとつは健康増進予防プログラムの要素の強いヘルスケア型、ひとつは地域健康まちづくり型といった形態に分類されます。

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